メリットとデメリットもある医療のIT化

テクノロジーの進歩によって、医療の現場にもIT化の波が押し寄せています。もっとも、何でもIT化すればよいというものではなく、そのメリットとデメリットをしっかりと見極めておかなければなりません。この点、医療におけるIT化のメリットは、作業効率が大きく向上するということです。例えば、従来は紙に書いていたカルテを電子化すれば、パソコンで入力するだけで簡単にカルテが作れるようになりますし、他の医療スタッフへの引継ぎもスムーズにできます。また、オンライン診療が可能になれば、往診に出向く時間が必要なくなるので、それによって浮いた時間を、他の患者の診察に充てることができるようになるでしょう。

一方、IT化にはメリットだけでなく、デメリットも存在するという点に注意が必要です。まず、一つ言えるのは、IT化には大きなシステム投資が必要になるということです。電子カルテやオンライン診療システムは、ものによっては導入するのに数百万円から数千万円する場合がありますので、それだけの投資をする価値があるかどうかは慎重に見極めなければなりません。また、ITに頼るあまり、肝心の診察が十分にできなくなるという恐れもあります。オンライン診療では、患者の触診を行えないため、対面していれば見つけられたはずの異常に気づけない可能性があるのです。このように医療現場のIT化を進めるうえではデメリットがあるため、メリットと比較して判断することが大切です。